趣旨
第1条
県下各地に残されている巨樹・古木は、地域の自然の象徴であると同時に、長年の風雪に耐え、幾世代もの間、地域に住む人々とともに生き抜いて地域の歴史を見守ってきた。また、公共の場に植えられた木々は、四季を通じて訪れる人々に憩いの場を与えている。
しかし、老齢樹も若齢樹も、最近の自然環境や人的環境の変化に対応できず、傷つき、病むことがある。こうした木々が何時までも地域のシンボルとして、また、健やかに育つことによって憩いの場を提供できるよう、樹木医による健康診断を実施することとするとともに特に保存すべきと認められる樹木については、治療等必要な処置を実施するものとする。
また、最近植栽された木々の中には、適地といえない箇所に植えられ、育たないばかりか枯れてしまうこともあることから、県、市町からの要請に基づき植栽候補地での適地適木の助言を行い、地域緑化を推進することとする。
樹木健康診断業務
第2条
公益社団法人三重県緑化推進協会(以下、緑化推進協会という。)は三重県の樹木医が組織する団体(以下、樹木医会という。)に対し、事業年度当初に緑地等適正管理事業に係る樹木健康診断業務を委託することとする。
(1)対象
樹木健康診断の対象とする樹木等は次のとおりとする。
1 | 地域住民が管理している巨樹・古木 |
2 | 公共施設に植えられている樹木 |
3 | 天然記念物 |
4 | その他、緑化推進協会が樹木健康診断の対象として適当と認めた樹木及び植栽候補地 |
(2)樹木健康診断の手続
ア | 診断の申し出 樹木健康診断を希望する団体等は、対象とする樹木が存する市町の緑化担当課に申し出る。 |
イ | 依頼書の提出 市町緑化担当課は、当該申請が適当と認められる場合は樹木健康診断調査依頼書(様式第1号)を緑化推進協会に提出する。 |
ウ | 派遣の要請 緑化推進協会は、樹木医会に対し樹木医の派遣を要請する。 |
エ | 樹木医の派遣 樹木医会は樹木健康診断調査依頼書に記載された市町担当者等に、調査日時等を連絡し、樹木医を派遣する。 |
オ | 樹木健康診断の実施 樹木医は、関係者の立会いのもと調査を実施し、口頭での説明のほか、後日、診断書を要請団体と市町担当課に交付する。 |
カ | 樹木の適正管理 要請団体は診断結果に基づき当該樹木の適正管理に努める。 |
キ | その他 適地適木調査については、県及び市町の担当課が協会に直接依頼する。 |
(3)樹木保護事業
緑地等適正管理事業は、樹木の健康診断を実施するのみで治療等は管理者が実施することを原則とするが、特に保存すべき樹木と認められ治療等が必要な場合は、管理者において実施する保護等に要する経費について予算の範囲内で助成する。
1 | 事業主体 市町村緑化推進委員会、市町、樹木を管理している地域団体等(以下「地域団体」という。) |
2 | 実施期間 助成金の交付決定を受けた日から当該年度の2月末日までとする。 |
3 | 助成限度額 原則として、1箇所50万円を限度とする。 |
4 | 事業の内容 第2の規定により樹木健康診断を受けた樹木のうち、特に県民の多くが未来に継承していくことが必要と認めており緊急に治療等保護が必要な樹木に対する治療等とする。 ただし、緑の募金交付事業(ふるさとの緑保護事業)の対象とするもの及び予防のための行為は対象としない。 |
5 | 事業の内容 治療行為等は、専門的知識・技術が必要なことから、樹木医や専門の業者等へ業務委託により実施することを原則とする。 ただし、地域団体がボランティアで自ら実施する場合は、専門知識を有する樹木医の指導を受けて実施する場合に限り助成するものとし、次の経費を対象とする。 |
科 目 | 区 分 | 細 分 | 摘 要 |
---|---|---|---|
行動費 | 保険料 | 傷害保険 | ボランティア等傷害保険料 |
資材費 | 機械、器具 | 機械器具、損料 | 機械器具は原則としてレンタルとする。 |
保護資材 | 土壌改良剤、肥料、薬剤6t等 | 薬剤等は、必要な手続きを行うこと。 | |
資材等運搬費 | 運搬費 | 車両借り上げ | 必要最低限のレンタル料金 |
指導者経費 | 謝金等 | 樹木医謝金等 | 旅費、宿泊費を含む |
※次の経費については、交付の対象となりません。
1)ボランティアの労賃、2)居住地から集合・解散場所までの旅費、3)食料費
6 | 実施の条件等 事業の実施にあたり公益社団法人三重県緑化推進協会から助成をえていることを明示すること。助成条件の詳細については、交付決定通知書に留意事項として記載する。 |
事業の決定
第4条
1 | 申請書の提出 この助成を受けて事業を実施しようとする者(以下「事業者」という。)は、緑地等適正管理事業(樹木保護事業)助成申請書(様式第2号)を公益社団法人三重県緑化推進協会会長(以下「協会長」という。)に、別に定める期日までに提出する。 ただし、事業者が地域団体においては、緑化推進委員会又は市町緑化担当課を経由して提出するものとする。 |
2 | 実施の決定等 (ア)協会長は提出された申請書の内容を審査のうえ運営協議会に諮り、決定する。 (イ)助成の決定に当たっては、申請事項に修正を加え、または条件を付すことができる |
3 | 実績報告書の提出 事業者は、事業完了後、別に定める期日までに緑地等適正管理事業(樹木保護事業)実績報告書(様式第4号)を協会長に提出する。 |
4 | 助成金の支払い 協会長は、前項の実績報告書の内容を審査し適当と認めた場合は、緑地等適正管理事業(樹木保護事業)助成金精算払請求書(様式第5号)に基づき助成金を支払う。 ただし、事業実施上、概算払いが必要な場合は緑地等適正管理事業(樹木保護事業)助成金概算払請求書(様式第6号)を提出することができる。 |
事業の変更
第5条
事業者が、事業の内容等の変更を行う場合は、事前に協会長の承認を得なければならない。
その他
第6条
この要領に定めのない事項については、協会長が別途指示する