鞠鹿野のユーカリ

フトモモ科/カマルドレンシスユーカリ

石薬師町内の鞠鹿野地区は、三重県の庭木生産の発祥の地でもあった。大正10年頃、ここに住んだ伊藤裕二郎さんのもとに、アメリカから郵便封筒で、トマトやセロリ-の種と共にユ-カリの種が送られてきた。送り主はロサンゼルスに住む奥さんの弟からだった。できたユ-カリ苗は近くに配ばられた。現在、この生き残りが2本ある。

日蓮宗鞠鹿野教会のユーカリは、幹周囲291cm、樹高19mで、道路沿いにある。もう1本の木は信誠地区の戦前の農業塾「神風義塾」の塾頭宅跡で、その幹周囲幹周囲は358cm 。ユ-カリはオーストラリアを中心に約600 種あるとされ、種の特定は難しい。私はこのユ-カリを寒さに強いカマルドレンシスだと思っている。

信誠地区にあった戦前の農業塾「神風義塾」の創始者は山崎延吉先生。愛知県立農林学校(現・安城農林高校)の初代校長であった。この関係から愛知県の安城農林高校学校にも、多分この兄弟苗と思われるユーカリがあった。しかし、この木は昭和34年の伊勢湾台風で折れて、この材は山崎延吉先生の胸像の台座になっている。