矢頭の大杉
スギ科/スギ
古くから「中宮(ちゅうぐう)さん」といわれ、いま、矢頭中宮公園といわれる。ログハウス2棟、テント10張り分のスペースのあるキャンプ場で、矢頭山登山口。
また、明治の合祀までは矢頭神社であった。神社境内だったため、今も巨木が多く残る。「矢頭の大杉」といわれるスギは幹周囲944cm、樹高48mあり、幹の先は以前に落雷か風害で折れたと思われる。根元に巨大なコブがある。昭和28年に「県天然記念物」、平成元年には「みえ新名木10選」に選ばれた。旧境内には幹直径1m以上のスギは約30本あり、次に太いスギは幹周囲830cmの幹に空洞がある木で、かつて中が火災にあったことがある。この林床にはヤマブキ、ウリノキ、ホソバタブが多く見られる。この旧矢頭神社の後ろにひかえる矢頭山は霊山であった。約1300年前の文武天皇の時代、修験道の祖・役小角が開いたといわれる。ある晴れた日、小角が天を眺めていると、白羽の矢が二本飛んできて、峰をかすめ麓の郷に下りたという。そこで、この山を「矢頭山」といい、矢の落ちたところを「矢下(やおろし)」といったが、この地名は両者とも現存する。