下太郎生のヤナギ
ヤナギ科/コゴメヤナギ
名張川沿いの国道369号線に一本のコゴメヤナギの雌株が残る。この木は今、幹周囲350cm、樹高14m。
かつて、この川沿いの土手には、ケヤキ、サクラ、カエデ等がある竹やぶで、ヤナギも2~3本あったという。昔は道から緩やかな斜面になっていたので、そこを通って川へ降りられた。
昭和34年にこの地を襲った伊勢湾台風で、この川縁は流され、近くの民家も一軒流される大被害に遇った。
この地は今、このヤナギ一本が残り、高さ5mの石積みの絶壁の上に育つ。伊勢湾台風の生き残りの記念の木でもある。このヤナギの下にはバス停があり、猿子橋の近くで、尼ヶ岳や大洞山へ上る倉骨林道がここから始まる。このヤナギより下流の川中には、シダレヤナギが一本育つが、この木はこの台風のとき流れ着いたものが育ったと、付近の人は言う。