善覚寺のヒヨクヒバ
ヒノキ科/ヒヨクヒバ
松阪市内で 国道42号と国道166号の分岐点付近に、檀家が二千を超える善覚寺がある。この本堂前には対になってヒヨクヒバがあり、向かって右側の木は幹周囲272cm、樹高13.5m。県内最大のヒヨクヒバと思われる。幹の中心部が空洞であるため、幹折れを心配して、最近、檀家の造園業者が担当して、この木の頂部を一部切って、樹高を低くした。
寺の本堂が今の地に移ったのは寛保3年(1743)。その時ある程度の大きさの木を植えたとすると、この木の樹齢は300年近くになるかも知れない。
この木は方言でスイリュウヒバといわれるが、この寺でも同じように呼ばれる。ヒヨクヒバは古くは資産家の庭に好んで植えられ、富の象徴の庭木だと思う。また、この寺の鐘撞堂近くには幹周囲126cmのよく剪定されたイブキもあって、この木も富の象徴の庭木で、近くの松阪城跡にも見られる。寺の歴史も古いだけあって、古い木も多い。本堂と庫裏の裏側の庭園には、モミが幹周囲260cm、ヒノキが幹周囲247cmあり、古いカイナンサラサドウダンなどもある。