水屋神社の大クス
クスノキ科/クスノキ
水屋神社本殿裏にあるクスノキは神木で、県内の樹木のなかで太さが第2位の巨樹。幹周囲1380cm、樹高39.5m。昭和63年の「緑の国勢調査」でも、全国巨木リストの48位に入った。この木は、昭和42年に三重県指定天然記念物になっている。
神社が春日系だけあって、このクスノキの神木の両側には、神の使いの「鹿」に相当するカゴノキ(鹿子の木)の大木を従えている。本殿西の境内林にも幹周囲349cmのカゴノの巨木もある。更に「二号楠」というのが本殿左側にあり、その幹周囲も935cmの巨木。他にも腐りの入ったムクノキや「水屋の大杉」という巨木もある。
「水屋の大クス」は地元では、「大楠さん」と敬称をつけて親しまれる。昭和43年にできた『赤桶音頭』では「楠は神の木 水屋の楠は おらが自慢の 日本で一よ わしの女房も こりゃえ 日本一こりゃえ」と歌われ、昭和47年につくられた『水屋小唄』では「水屋大楠 香りの葉から とった香りを あの娘(こ)がつけりゃ 虫もつかずと ソレ神だのみ ほんに赤桶は つみなとこ」と歌われる。この水屋神社の裏を流れる櫛田川には、天照大神と天児屋根命(あめのこやねのみこと=春日の神)が国境をきめた礫石(つぶていし)伝説の大石がある。