荻原神社のイチイガシ
ブナ科/イチイガシ
県内2位の太さと思われるイチイガシは大台町江馬の荻原神社にある。本殿真裏にあり、しめ縄を付けた神木で、幹周囲406cm、樹高45mである。この境内にはイチイガシが他に2本あり、いずれも神木扱いで幹周囲は291cmと241cm。境内のスギも巨木で幹周囲450cm.。
かつて、近畿地方のの平野部はイチイガシを主とする原生林に覆われていた。ところが弥生時代から古墳時代にかけ、人口増にともなって開発が進んだ。特に真直ぐに伸びるイチガシの伐採が進み、多くの原生林は失われた。その後には、環境に適応性の高いアラカシがとってかわった。こんな背景にあって、イチイガシの古木の多い森は、森林がよく保全されてきた指標と思われる。
さて、荻原神社の創建は天正年間(1573-)以前とされる。古くは榎村神社、八王子神社といい、明治3年には八柱神社に改称。明治40年には、当時の荻原村の多く点在した神社を合祀して、村名と同じ神社名になった。戦前この地から多く満州開拓団に渡ったが、昭和61年には、旧開拓団の双龍神社の霊の返還を果たし、この神社に合祀している。