堅神神社のウバメガシ
ブナ科/ウバメガシ
堅神神社は近鉄鳥羽線の「池の浦駅」前にある。神社下側の斜面には、前池に覆いかぶさるように伸びるウバメガシの巨木がある。腐朽の入ったその幹周囲は309cm、傾いた幹長は10m。この境内林には幹周囲79cmのシャシャンポ、幹周囲268cmのヤマモモの古い木もある。
この神社のウバメガシは私の調査では、県内最大の太さである。これに次ぐ木として、同じ様な単幹状の木は伊勢市二見町松下の「松下社の大クス」横に地上1mの幹周囲が297cmのウバメガシ、大紀町錦の錦福羅公園の町天然記念物の幹周囲244cmのウバメガシがあった。
ウバメガシの古い木の多くは、地際から多幹状に育つことが多く、例えば尾鷲市南浦・リュウノタニの伐採天然林には地際周囲312cmで14本株立ちのウバメガシを見た。南伊勢市内瀬のウバメガシは地際から広がって幹周囲100cm前後の木が7本も株立状に生育する。また、ウバメガシは昔から価値観のある庭木であったと思う。旧家の目立つところや茶室のにじり口等に用いられている。