塚原のエノキ

ニレ科/エノキ

塚原古墳のあったところに太いエノキがあり、幹周囲512cm、樹高14m、枝張り25m。地際より多幹になった木である。この木の根元の石碑には南無法連華と彫られる。

エノキは赤褐色の実を秋に多くつける。これは鳥の好物で、食べられて各地に運ばれて発芽する。この木はすぐに大木になるが、落葉樹のため冬の日照の妨げにあまり影響なかったか、独り生えがそのまま大きくなったのが各地にある。

なお、塚原古墳は羽根地区の西端で、木津川が屈曲する河岸段丘上には円墳があった。この古墳は昭和56年(1981)に道路施設に伴い発掘調査された。

かつての畑地開墾で古墳はかなり失われていたが、径12mの円墳で、人頭大の角礫を雑然と積み上げた外護列石が墳丘裾を巡っていた。築造年代は6世紀後半から末頃と推定されている。この地は、古代の天皇伊勢行幸、斎王の群行をはじめ、大和から伊勢へぬける交通の要衝であった。