松阪第一小学校のラクウショウ

スギ科/ラクウショウ

北アメリカ原産のラクウショウが第一小学校に植えられたのは、明治38年(1905)とされる。日露戦争の戦勝記念に、地元の豪商小津家が寄贈したといわれている。

したがって樹齢は100年を超える。今、この木は幹周囲447cm、樹高28m。小津家は江戸時代から、伊勢商人として活躍した家柄。当時の当主は13代の小津清左衛門長幸で、紙問屋や小津銀行を経営していた。長男修太郎はこの小学校を卒業していた。

その後、昭和60年にこの小学校は建替えられたが、この学校のシンボルのこの木を保存するため、この木から離れて校舎の位置は逆算して決められた。なお、今は無いが、以前この木は小津家屋敷と山室山神社(旧本居神社)にもあった。これを裏付けるように、県立博物館の植物標本リストには、服部哲太郎が大正3年5月に採取したラクウショウがある。

なお、この木は冬になると、葉が短枝(たんし)についたまま落ちる様が、鳥の羽根が落ちるのに似ているので落羽松の名がある。また、沼地に育つので、ヌマスギともいわれる。