油田家のメタセコイア

スギ科/メタセコイア

かつて造り酒屋であった油田家の屋敷跡には太いメタセコイアがあり、幹周囲393cm、樹高30m。私の調査では、三重県一の太さのメタセコイアである。おそらく、この苗はこの車川の山林に木原造林(株)が昭和33年ころ植えていた一本であろう。当時、この苗は東大から入ったと聞いた。木原造林(株)の社長はこの地を訪れると、よくこの造り酒屋の油田家に寄っていたというから、木原造林(株)の社長から直接プレゼントされたものかもしれない。この木は屋敷内ではあるが、川の縁で水に恵まれ、付近に邪魔物がなかったので、大きく育ったと思う。

メタセコイアは日本では化石でしか見つかっておらず、絶滅した木としてアケボノスギと命名されていた。ところが、昭和20年に中国湖北省で見つかり、昭和 24年にアメリカからわが国に入っている。その後、この木は挿し木で増やされ、各地に植えられた。