西山・春日神社のコウヤマキ

コウヤマキ科/コウヤマキ

神社本殿前に幹周囲255cm、樹高21mのコウヤマキがある。伊賀地方に隣接する滋賀県や奈良県では神社仏閣にコウヤマキが多い。三重県の神社仏閣には古いコウヤマキはほとんどないが、伊賀北部地帯の神社ではコウヤマキが所どころにあり、古い時代に近江や大和の文化の影響を受けた証拠の植栽と思われる。
この神社のコウヤマキには勧請縄(かじょうなわ)と思われる「しめ縄」の一方が結ばれる。アラカシの枝が多く架かっているが、毎年、1月7日の「山の口」に、男子の氏子はこの縄にミカン、イワシ、モチなどを袋に詰めて吊るし、拝んだあと下げるという。この神社の本殿とその付近の建物は、なぜか建屋の棟は、拝む側から見て縦方向にある珍しい神社である。

この神社の境内には古い木が多い。殿左側に幹周囲616cmの神木のスギがあるが、伊賀地方2位の太さといわれる。また、拝殿前左に幹周囲282cmのツガがあるが、三重県内の人の生活圏にあるツガとしては最大ではないかと思われる。伊賀地方の里山にはモミも多いが、本殿右の山中には幹周囲421cmのモミの巨木もある。