関神社お旅所のトウカエデ

カエデ科/トウカエデ

この御旅所広場には2本の古いカエデがある。東側は幹周囲262cm、樹高18mのトウカエデと、西側には地上1mの幹周囲255cmのイロハモミジ。このトウカエデは、私の調査では県内1位の太さ。イロハモミジも県内有数の太さである。

三重県内にある古いトウカエデは旧家と、旧家のある学校や社寺に多い。このためか、この中国東南部原産のトウカエデは富の象徴の木でもあった。特に、明治末に東京の街路樹の10種に選ばれたことが、話題を呼んだと思われる。

 7月下旬には恒例の「関宿夏まつり」がおこなわれる。関神社の祭礼で、神輿や曳山が町内を練り歩く。関神社から御旅所へ、はっぴ姿の若衆が神輿を御渡しする勇壮な祭。一方、曳山は絢爛豪華(けんらんごうか)な四台の山車(江戸時代には十六台あった)が町を練り歩く。よく「そこまでがせいいっぱい」という意味で使われる「関の山」という言葉は、この祭りの山車が語源。町内の街道をふさぎ、これ以上は通るに通れない様子を表現したという。御旅所の近くには県指定史跡の「西の追分」があり、東海道から大和・伊賀街道が分岐している。