三重大学三翠園のポンドサイプレス
スギ科/ポンドサイプレス
三重大学の同窓会館「三翠会館」の庭園は「三翠園」。ここには、県内唯一と思われる幹周囲125cm、樹高14mのポンドサイプレスがある。ポンドサイプレスはアメリカ南東部が原産で、沼沢地、湖沼地や河畔に好んで生育する。ヌマスギと同じ地域に生育し、葉はヌマスギのように羽状にならず、小枝に針先形で圧着する。
大正14年に、東京の目黒区にあった国立林業試験場から送られてきたものである。大正11年に三重高等農林学校が創立したが、3年後に正面前に、植物見本園がつくられた。この造成を担当したのは、当時林学科の馬岡隆清助教授。試験場から送られてきた苗木は約50種で、各5本程度あった。
ポンドサイプレスはなぜかラクウショウの中にあった。今は無いが、この学校が大学になるまでの校長官舎にも1本あったという。その後、三重高等農林学校の十周年には記念行事として、同窓会館が計画された。昭和11年には「三翠会館」として竣工したが、その付属庭園の設計、施工は園芸学の進武雄先生が担当した。