不動寺のカヤ

イチイ科/カヤ

本堂前広場に古いカヤがあり、幹周囲540cm、樹高16.5m。このカヤの地際は根が盛り上がり露出している。寺の言い伝えによると、かつて本堂を建てる時、このカヤは埋め立てたというので、この露出した根はその後に幹から発根したことになる。

この果実は隔年によく着けるという。寺裏側の稲荷さんの左前の石垣上には幹周囲179cmのユズリハの大木があり、右前には幹周囲96cmの古いツバキもある。

カヤは県内の山間地で古い木が主に見られる。神社、寺院、元庄屋屋敷にあり、その地域の文化や生活の中心である所に生育する。カヤの実は食料になり、油を絞った。カヤの多くは、水田が少ない地方にあるので、生活の知恵から、飢餓にそなえた食料の木であったと思える。

しかし、一部にはカヤ山といわれる所もあるが、多くは一本だけが生育し、しの境内の目立つところにあるので、修景用だったかも知れない。