久具都比売神社のクスノキ

クスノキ科/クスノキ

久具都比売(くぐつひめ)神社は、県道38号線から久具都比売橋を南へ渡った宮川の岸辺の森にある。伊勢の神宮の摂社。この神社の森周辺にはスギ、ヒノキ、イチイガシ、オガタマノキ、カゴノキ、カヤなどの古い木が生育し、地表にはツルコウジも多い。森の中央には幹周囲797cm、樹高23mのクスノキの巨木がある。伊勢志摩地方では有数の大きさのクスノキである。

 久具都比売神社は「延喜式」の「神名帳」にも記された神社。その祭神は「皇太神宮儀式帳」によれば、「久具都比売命(くぐつひめのみこと)」と「久具都比古命(くぐつひこのみこと)」とあり、ヒメ・ヒコという男女の対偶神になっている。この神社の森に隣接して、宮川の「上久具(かみくぐ)の渡し跡」がある。近くに久具都比売橋ができるまでは、明治から平成6年3月までの約90年間、両岸の人々を運び続けた大切なルートであった。特に、学童の通学路として、子供たちはこの渡し場をわたって学校へ通った。ここが県内で最後となった渡し場であった。