光月寺のクロガネモチ
モチノキ科/クロガネモチ
かつての椋本村は伊勢別街道の椋本宿としてにぎわったところ。伊勢別街道は 東海道の関宿と伊勢街道の江戸橋を結ぶ約22kmの街道。江戸時代には東海道を通り京都方面からの参宮客で賑わった。常夜燈や古い家並みが残り、往時を偲ばせる。今、寺院は10ヵ寺もある。古くから有名な「椋本の大ムク」の近くに光月(こうげつ)寺があり、この寺の墓地南には、幹周囲388cm樹高17m、高さ11mのところで古い昔に主幹が折れたクロガネモチがある。根元の幹には空洞が見られ、太い幹は土手の石垣の代用になっている。多分、県内一の太さと思う。しかし、この木は自然木のようなところに育ち、地元でもあまり知られていないと思われる。
クロガネモチは「黒鉄(くろがね)」の強そうな名や、語感から「金持ち」に通じるとして、縁起の良い木として植えられ、古くは旧家や社寺に植栽されたが、野生にも太い木がある。