内瀬のハマボウ

アオイ科/ハマボウ

伊勢路川河口には本州最大級のハマボウの群落があり、手元の資料では面積2haとなっている。この群落で太い木と思われる木は、地上20cm上で幹周囲60cm、樹高3m以下である。現地の説明板には、この内瀬出身の元京都大学の赤井龍男先生は「夏、美しい黄色の一日花を咲かせるハマボウは、地元では昔からイソツバキと呼んだ。半マングローブといわれる珍しい木は、根元から多くの枝をだして、タコの足のように根を張りめぐらして、洪水時に川岸を護り、海の堆砂を防ぎ、津波の被害を少なくする役目あった。それに生物多様性維持のビオトープでもある。」と書いている。

以前、これだけのハマボウの群生地があるのだから、町に天然記念物として指定して保護してはと、申し入れたが、その頃、この河川改修が予定されていたので、見送りたいという話だった。今、この河口の河川はビオトープを配慮した県内では最初と思われる工事ができている。

三重県内では、ハマボウは海岸部に点々と生育し、津市河芸町の田中川河口が北限とされる。ハマボウは海岸で船をつなげる唯一の木として、植えられたとも言われるので、本来の天然分布かどうか判らない。