南出・白山比咩神社のオガタマノキ

モクレン科/オガタマノキ

白山比咩神社本殿の裏側の下がり法面に、オガタマノキが5本ある。最大の木は地上30cmの幹周囲が252cm。あとの4本の太さは幹周囲201cmで樹高14.5m、181cm、132cm、150cm。

オガタマノキは三重県南部には時々見られるが、この付近では植栽木以外の野生は見られない。この神社のオガタマノキはほぼ5本が近寄って生育する。

普通、オガタマノキは「招魂の木」といって神社によく植えられる。その植栽場所は神社参道の入口か本殿前のよく目立つ所である。

しかし、この神社の場合、あまり人目につきにくい社殿裏側で、自然植生の中に生育する。したがって野生とも考えられ、そうなると三重県の北限の木となる。オガタマノキはタネを多く着ける。推定ではあるが、かつて古い時代、社殿前にオガタマノキがあって、この親木は枯れ、そのタネが裏側で発芽したとも考えられる。今、本殿前側には古いネズは残る。

 この神社の森には付近にあまり見られない木が多い。イチイガシ、ヤマモガシ、ルリミノキ、ツルコウジ、タイミンタチバナ、ミミズバイ等があり、40年ほど前には、私は太いタマミズキも見た。