宇賀神社のナナミノキ
モチノキ科/ナナミノキ
神社入り口より右へ行く道沿いには、県内最大ではないかと思われる太いナナミノキがあり、幹周囲242cm、樹高18m。さらに7m離れて幹周囲190cmのナナミノキもある。
ナナミノキの大きさは、林弥栄著『有用樹木図説林木編』昭和44年、誠文堂新光社刊によると、「通常樹高8~10m、胸高直径20~30cmであるが、大きいものは樹高15m、胸高直径40cmに達する」とある。この神社のナナミノキを胸高直径になおすと77cmであるので、文献の最大とする記述よりはるかに大きい。ナナミノキは特に信仰に関係ないと思うが、伊賀市予野の花垣神社などでは目立つところにある。
ナナミノキは県内各地にあるが、個体数はきわめて少ない。ナナメノキはナナミノキといも言う。その語源は多く実を着けるので「七実」とか、赤い実がクロガネモチより「長実」からといわれる。
なお、この柚井地区はかつては柚比村(ゆいむら)といって、美濃国(岐阜県)に接し、美濃街道による伊勢への入り口。ここにある宇賀神社は延喜式内社とされる歴史のある神社。多度山の東の登山口にある。その森は、現地の説明版によると、カナメモチーコジイ群集の森で、シイの巨樹からなると解説されている。