岡八幡宮のシリブカガシ

ブナ科/シリブカガシ

岡八幡宮境内には、伊賀地方では唯一の分布と思われるシリブカガシが数本ある。最も太い木は境内西端に地際付近の幹周囲220cm、樹高18.5mの3株立ちの木。シリブカガシのどんぐりの底は、皿形に凹むので尻深といわれる。

この境内には市指定天然記念物で神木のイチイガシや、本殿前広場にはスギの大木がある。かつて本殿横には太いコウヨウザンがあったが、石垣とともに倒壊し、その子供苗が残る。                     

  岡八幡宮は、 源頼朝(1147~1199)の直命で鎌倉につくられた「鶴が岡八幡宮」の末社で、その社名も「鶴が」を除いたもの。当初、この「鶴が岡八幡宮」の末社は全国に配置する計画であり、この伊賀の岡八幡宮が第一号であったが、頼朝の死亡とともに中止になって、この神社が最初で最後になったという。神社の歴史も古いだけ「流鏑馬神事(やぶさけしんじ)」、「獅子神楽(ししかぐら)奉納」、「山神大注連(やまのかみおおしめなわ)」、「弓始め祭」、「探湯神事(くがたちしんじ)」、「茅輪(ちのわ)くぐり」等がおこなわれる。また宝蔵院流高田派槍術の祖「高田又兵衛」はこの地の白樫に生まれ、岡八幡宮の大木を相手に技を磨いたと語り継がれている。