庄内小学校のユリノキ

モクレン科/ユリノキ

昭和7年(1932)、県では アメリカ移民を記念して、北アメリカ産のユリノキの苗木をつくり、配布していた。庄内小学校では講堂建築が決まり、これを記念してこのユリノキを記念植樹した。この苗木を届けたのは地元選出の県議・佐藤邦則さんだった。早速、高等科の農業実習時間に 羽田征二先生の指導で、校舎の日よけを兼ねて7本植えられた。その後、昭和43年新校舎が建ち、この植栽地は運動場になったので、ユリノキは2本が残された。1本は運動場のど真中、もう1本は運動場の端。運動場の真ん中のユリノキは、野球世代にはなじまなかったが、風害で傾き今は移植された。運動場端に残った一本のユリノキは、今、幹周囲378cm、樹高21mの巨木になった。県内最大のユリノキである。

ユリノキはアメリカ中東部が原産。わが国への渡来は、明治6年(1873)。明治政府の求めで来日した、教育学者 ダビット・マレーが種子を持参して、東大の伊藤圭介博士に贈っている。また、明治9年にウイーン大博覧会から、田中芳男が持ち帰り、新宿御苑に蒔いている。別名はハンテンボク。