庫蔵寺のコツブガヤ
イチイ科/コツブガヤ
国の天然記念物「庫蔵寺のコツブガヤ」は本堂右前広場の端にあり、平成5年1月20日に指定をうけている。いま幹周囲431cm、樹高25m。推定樹齢400年といわれる。コツブガヤはカヤの変種。
その種子が普通のカヤは長さが平均25mm位に対し、このコツブガヤは長さが15mm以下で、球形に近いかたちをしている。この木は平成3年(1991)、岡与一先生が調べて分かったもの。
コツブガヤは昭和初期に、今の名張市長瀬の大矢宅裏庭で、国津村布生(現・名張市布生)出身で九州大教授の森川均一博士が発見。昭和3年(1928)に学会に発表してコツブガヤと命名された。
この木は昭和11年(1936)県の天然記念物に指定されたが、昭和34年の暴風雨で倒木し、指定が解除されている。ところが、この木の近くに幼苗があったので、大矢さんが近くの山林に移植。平成15年、名張市制五十周年記念誌で樹木の調査をしていた葛山博次先生が、これをコツブガヤであることを確認している。