本楽寺のイチョウ

イチョウ科/イチョウ

本堂の向かって右前、庫裡前には幹が8本に分かれて伸びるイチョウがある。地際周囲855cm、樹高14.5m。地際より8幹に杯状に斜いて分かれる。うち8本の太い幹の長さは5-6mで、かなり腐りも目立つ。8幹の幹周囲は最大が280cmで、最小が180cm。それぞれの太い幹先には、多くの萌芽枝が見られる。

住職の話しでは、このギンナンはオハツキイチョウという。この木は、近くの多気町下出江の竹内家から、江戸時代に寄贈があったと古文書にあるという。木の幹をすべて斜めに伸ばす技術は只者ではない。

この地は丹生水銀生産で多い時は1800人が住んだという。この中に、庭木を杯状に伸ばす技術者が流れ住んでいたかもしれない。

境内広場には古いボダイジュもあり、幹周囲は106cmだが、地際周囲は300cmもある。この寺の本堂裏には、回遊式庭園があり、池の中心部には茶室もある。ここは快楽園(けらくえん)と呼ばれ、文化13年(1816)に、本堂再建にあわせて造られた。平成15年3月には町の文化財に指定される。