河内・仙宮神社のバクチノキ
バラ科/バクチノキ
仙宮神社本殿は津波を避けて、小山の山頂にあり、長い参道の石段がある。登り口には幹周囲203cm、樹高17.5mのバクチノキがあり、更に10m離れてもう一本あり、太さは幹周囲137cm。下に多くのバクチノキの子供苗も見る。また、この近くには地上30cm上の幹周囲が349cmの太い二幹立ちイロハモミもある。これらの木は参道に沿ってあるので、植栽されたものと思われる。
この古いバクチノキには説明板がついている。社伝によると、天竺(てんじく)僧・佛哲和尚が植え付けたとある。また、大正7年に苗木を明治神宮に献木したとある。ところが、仙宮神社のホームページの御創立由来によると「境内には、天竺僧佛哲和尚が植え付けた多羅樹の木がありその苗木を、大正七年に明治神宮へ献木している。」とある。この多羅樹とはモチノキ科のタラヨウを指すのが普通であり、留学僧が植えたとすればタラヨウは佛教ゆかりの木で、記念樹にふさわしい木である。
したがって、バクチノキはタラヨウと間違って植えられたとも思われる。また植栽当時、この地では恐らくタラヨウの苗は入手が難しく、バクチノキの苗は野生のものから容易に確保できたと思われる。