烏止神内神社のオガタマノキ

モクレン科/オガタマノキ

烏止野(うどの)神社本殿前広場に木の柵内に太い神木のオガタマノキがあり、幹周囲257cm、樹高17.5m、さらに近くに192cmのオガタマノキもある。境内には太いイスノキもあり最大は幹周囲294cm。

この社叢は暖地性照葉樹林の代表として、また、オガタマノキの葉を食べる南方系の蝶ミカドアゲハが多数発生するので、旧鵜殿村当時の昭和49年に村の天然記念物に指定されている。オガタマノキは「招霊の木」と書くので、神社にはよく植栽される。この神社の木は県内一の大きさ。

 このかつての鵜殿村の地は、平成16年に合併するまでは、面積2.88平方kmという「港のある日本一小さい村」であった。明治27年に発足し、111年続いた。

それより昔、海運が発達したのは、熊野三山に寄進された荘園の年貢輸送や警護と熊野詣の水路利用客があったためとされる。それには鵜殿氏があたり、後の熊野水軍の発祥といわれる。熊野速玉大社の祭りに「御船祭」がある。これには鵜殿の水主衆が諸手船の乗り込みかかわる。

これは古事記や日本書紀の「天の鳥船」や「天鳩船(あめのはとぶね)」の再現とされる。今この祭の時、諸手船の上では「ハリハリ踊り」が古式ゆかしく行われる。