相野谷神社のイチイガシ

ブナ科/イチイガシ

相野谷(おのだに)神社の神木イチイガシは、幹周囲448cm、樹高32mで、県内最大の太さのイチイガシ。本殿前に向かって左脇にあり、地際には石造りの祠がある。イチイガシの幹は、広葉樹の中ではきわめて通直であるが、この木も真っ直ぐに伸びる。

平成5年の全国育樹祭の記念誌『郷土の樹木』で、この木を見た三重大学の武田明正先生は「アカガシからは、どっしりと地から湧き出たような印象を受けるのに対して、のびやかに立っているイチイガシには、地というものからはなれて天空を意識させる何かがある。

この点で、広葉樹でありながら、イチイガシからは、スギやヒノキと同じ針葉樹的な印象をうける。」と記している。

この相野谷神社のイチイガシは、以前は森の中にあって、写真が撮りにくかったが、今は前方のスギが伐られ大変明るくなっている。直径1m以上のスギの切株が6株残る。ほかに、幹周囲194cmのナギ、幹周囲76cmのモッコクもある。