県立博物館のセンペルセコイア

スギ科/センペルセコイア

センペルセコイアはアメリカのオレゴン州南部からカリフォルニア州に分布し、太平洋側に近い山地の標高700mから1000mあたりに生育する。世界一高くなる木として有名で、高さ110m、幹周囲25m にもなる常緑樹。日本には明治中期に渡来したとされているが、江戸時代末に入ったとする文献もある。別名をセカイヤメスギ(世界爺雌杉)とかイチイモドキともいう。

わが国でも、生育が早く大木になる。 強風に遭うと幹が折れたり、倒れたりするので、県内ではあまり見ない。

県立博物館のセンペルセコイアは、平成19年3月に強剪定されて、幹周囲336cm、剪定樹高18m。博物館旧事務所の裏側に一本あり、イヌナシやトキワマンサクの稀少樹木と共に育つ。この入手については、戦後であるのにはっきりしない。

 なお、セコイアというのはアメリカ原住民のチェロキー族の酋長セクオイヤーを記念したもの。日本の鮮新世には、これに近い種の遺体が多く出土しており、本邦産の亜炭や褐炭は、この木が主要なものとなったとされる。有史前の森林を構成した大木は40種ほどあったとされ、今、地球上に生き残ったのが、このセンペルセコイア、とセコイアオスギとされ、ともにアメリカに育つ。