礫浦八幡神社のホルトノキ

ホルトノキ科/ホルトノキ

境内林には太いホルトノキが3本あり、最大の木は幹周囲353cm、樹高27m。他に幹周囲325cm、302cmのホルトノキもある。この境内林には幹周囲377cmのスギ、幹周囲227cmクロガネモチ、幹周囲205cmのオガタマノキの太い木も混じる。地表にはツルコウジが多い。

 この地には天照大神の「礫石(さざらいし)」という7寸四方ほどの円石があった。この石に五本の指の形の付いていたので、一名「五手の石」ともいわれた。この石にお祈りすると、天候が悪いときでも魚が捕れるといわれたので、昔から船乗りの信仰が厚つかった。今、礫浦八幡神社に御神体として祀られている。この礫石から、この地を礫浦と呼ばれたと思われる。

 この神社周辺には古墳が点在し、磯浦古墳群といわれ、神社の上方の宮山古墳の横穴式石室からは多くの葬具品に混じって、海産の副葬品のアワビやカキも出土した。6世紀後半の地位の高い人の古墳とされる。古い歴史のある土地だけあって、この神社には「こじめ祭り」とか「みこねぎ式」という神事が残っている。なかでも、漁村ならではの「塩切り」行事は、神様にお供えした塩漬けのます、鯛、伊勢えび、鰹を四人が揃って、まな板の上で裁き、切り身にする儀式。