豊浦神社のバクチノキ

バラ科/バクチノキ

豊浦神社の森は暖地性海岸林として、昭和38年に、県の天然記念物に指定されている。この境内林の注目すべき木として次のものがある。

幹周囲319cm、樹高25mのバクチノキ、幹周囲160cmのオガタマノキ、幹周囲212cmのカゴノキ、幹周囲269cmのタブノキ、地上80cmの幹周囲が197cmのバリバリノキ、幹周囲900cmのクスノキ、幹周囲93cmのイイギリ、地上30cmの幹周囲が60cmのヤマトタチバナ等がある。平成4年には台風の被害を受け、大木がかなり折れた。

 この神社のバクチノキは恐らく県内一の大きさであろう。バクチノキは、大きくなると樹皮がはげ落ち、あとが赤茶けた美しい幹になる。 この様を博徒が博打に負けて、次第に裸になる様にたとえてこの名がある。そのためお守りにしたのか、この木には樹皮を四角に切り取った小さな痕が数カ所ある。別名ビランとかビランジュと言うが、インドの毘蘭樹を誤認したものである。

昭和54年頃、豊浦神社前の海岸に土蔵が乱立した。ここはパナマウント映画『将軍』のロケ地であった。ここは慶長5年(1600)頃の風雲急なる関ヶ原前夜の大阪堺港。ロケのあった当時は、この付近は珍しい自然のままの環境の保たれた地であった。