関神社のウラジロガシ

ブナ科/ウラジロガシ

関神社入口石段右の石垣上には幹周囲325cm、樹高12.5mのウラジロガシがあり、前の広場に傾いて伸びる。よく似たシラカシは各地に太い木はあるが、ウラジロガシの巨木があるのは珍しく、人の生活圏では、関神社のウラジロガシが最大の木ではないかと思われる。

この反対側の左石垣上には太いがナギあるが、関神社は熊野権現から勧請されたのに因む。熊野三山造営奉行であった平重盛が、ナギは霊力のある木として、平治元年(1159)に熊野権現の社殿落成の記念に植えている。平重盛の子・資盛(すけもり)は若い頃、神社の近くの「久我の庄」に流された。ここで生まれた孫の実忠(さねただ)は関氏の祖といわれる。その関係から、関神社の氏子が熊野権現に代参の折、記念にもち帰って植えた木かもしれない。

  7月下旬には関神社の祭礼が行われる。神輿や曳山が町内を練り歩く。曳山は絢爛豪華(けんらんごうか)な4台(古くは16台)の山車が町を練り歩く。よく「そこまでがせいいっぱい」という意味で使われる「関の山」という言葉は、この祭りの山車が語源。